各委員会の活動について

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公害対策・環境保全委員会

活動の概要

 公害による深刻な生命・身体被害はもちろんのこと、自然破壊や環境汚染も、人間の生活、生存に直接関わる問題として、人権問題と位置づけることができます。

 そこで、公害対策・環境保全委員会では、公害被害の救済や環境破壊の防止を図るとともに、国や自治体の環境政策を前進させるために、さまざまな調査研究活動を行い、これに基づく意見書等の作成、シンポジウムの開催等の活動を行っています。

これまでの主な活動

  1. 川辺川ダム問題
    1996(平成8)年11月11日、川辺川ダム建設事業について再検討を求める意見書をとりまとめました。この意見書では、ダム建設は水質の悪化を招き、魚類や周辺の生態系に影響を及ぼすこと、ダム建設の4つの目的(洪水調節、流水の正常な機能の維持、かんがい、発電)についても、実効性や必要性に疑問があること、着工前の環境アセスメントを実施すること、ダムの代替措置を検討すること、住民への情報公開を行うこと等を指摘し、ダム建設の中止もあり得ることを前提にした検討をすべきであると結論づけました。
  2. ホルマリン問題
    1999(平成11)年8月、天草の御所浦町で行われていたトラフグの養殖において、消毒薬としてホルマリンが使用され、それが海に垂れ流されているという海洋汚染問題について現地調査等を行いました。当委員会の調査を契機として、天草不知火海区漁業調整委員会が罰則を伴う使用禁止命令を発したり、薬事法改正による法規制がなされたりしました。
  3. シンポジウムの開催
    2002(平成14)年10月25日、有明海の海苔凶作問題に現れた有明海異変や、八代海の赤潮被害等を背景に、熊本において、「川と海を考える~環境保全と住民参加~」をテーマとする第55回九弁連大会シンポジウムを開催しました。このシンポジウム開催にあたっては、当委員会が中心となり、他の弁護士会の協力も得て、各水系の現地調査を行うとともに、各地の工事事務所、九州農政局、熊本県、漁業関係者、住民団体等に対してヒアリング調査を実施したほか、専門家を招いて勉強会を行うなどして、実態の把握と法制度の理解を深めました。その成果は180ページにも及ぶ報告書にまとめられています。
  4. 荒瀬ダム撤去問題
    2006(平成18)年1月27日、当委員会の取りまとめで、荒瀬ダム撤去問題について、熊本県に対して要望書を提出したほか、2008(平成20)年6月18日、荒瀬ダム撤去方針の撤回を表明した熊本県知事に対して、ダム撤去の是非を慎重に判断すべきであることを要請する会長声明を発するとともに、同年11月12日には、同知事に対して、荒瀬ダムは撤去すべきであるとの意見書を提出しました。
  5. 水俣ダイオキシン問題
    2008(平成20)年10月16日、水俣市におけるダイオキシン問題に対する意見書をとりまとめました。この意見書は、熊本県と水俣市に対して、①水俣市の水俣港・百間排水路等に堆積したダイオキシン類を含む土砂の処分方法について、地元住民らの不安・心配等に配慮し、分解無害化処理の採用も含め、その意見を十分に反映させるべきであること、②ダイオキシン類汚染の原因企業に対し、処分費用の負担を3分の2にとどめず、公害防止事業費事業者負担法7条2号のうちイを適用した上で、本件事業費の99パーセントを原因企業に負担させる方策も含め検討すべきであることを指摘したものです。
  6. 路木ダム問題
    2010(平成22)年6月、天草市の路木川に建設が予定されている路木ダムによって、路木川流域の自然環境が破壊される可能性があるという問題について、現地調査を実施するとともに、事業主体である熊本県、天草市や地元住民からの聞き取り調査等を行いました。

最後に

 当委員会の活動の多くは、住民の皆さまからのご要望などをきっかけとしています。弁護士会で取り組んでほしい問題等がございましたら、ご要望等をお寄せ下さい。