紛争解決センター

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紛争解決センター

紛争解決センターとは

 熊本県弁護士会紛争解決センターでは、当会の会員である弁護士が、当事者の紛争について、双方の言い分を聞き、話し合いによる解決のお手伝いをするADRという手続を行っています。
 ADRでは、原則として3回程度の期日(話し合いの場)で解決することを目標としており、期日の間隔についても裁判所の民事調停や民事訴訟よりも短く、これらの裁判所の手続よりも比較的短期に解決できているものが多くあります。
 解決の内容についても、金銭的な解決だけにとどまらず、柔軟な解決を図ることが可能です。
 また、当センターでは特定の災害に起因する紛争を「災害ADR(※)」として取扱っています。
 当センターでは、お悩みになられている紛争について、話し合いによる解決のお手伝いをさせていただきますので、是非、ご利用をご検討ください。

「災害ADR」とは…
 大規模災害が発生した際に、その災害に起因する紛争を対象としたADR手続です。
 当センターでは現在、「平成28年熊本地震」、「令和2年7月豪雨災害」、「新型コロナウイルス感染症」を災害ADRの対象としています。
 災害ADRに該当する場合には、通常のADR手続と異なり、申立手数料の免除及び成立手数料の減免の措置を行っております。

取り扱う事例

 紛争解決センターでは、当事者間の合意により解決可能な紛争であれば、全ての民事紛争について取り扱っています。
お困りのトラブルについて利用できるのか分からない場合には、紛争解決センターへお問合せください。

 例えば、以下のような紛争が対象となります。

賃貸借関係 「退去費用の請求額が高すぎるので減額を求めたい。」
「何ヶ月も家賃を滞納されているので出ていってほしい。」
建築関係 「新築・リフォーム工事に施工不良があるので直してほしい。」
「工事代金を支払ってもらえないので請求したい。」
相隣関係 「隣家のブロック塀が境界を越えているので撤去してほしい。」
「近所の騒音に困っているのでやめてもらいたい。」
職場関係 「パワハラ・セクハラを受けているので止めてもらいたい。」
「不当な理由で解雇されたので損害賠償請求したい。」
親族関係 「離婚について協議したい。」
「親の相続のことでもめているので話し合いの場を設けたい。」
その他 「子どもが友達にケガをさせたので謝罪と金銭賠償をしたい。」
「交通事故の損害賠償額に納得できないので増額請求をしたい。」

手続の流れ

紛争解決センターへの申立て

 和解あっせん手続きは、紛争解決センターへ申立書等の必要書類を提出し、申立手数料(11,000円)を納付することで開始します(※)。
 申立てには、Ⅰ申立サポート制度を利用する方法とⅡ申立人本人が申立書を作成する方法があります。
 詳しい申込方法については、「▼ADR申立ての方法」をご確認ください。
(※)災害ADRの場合、手数料は無料です。

相手方への通知

 申立人又は申立サポート弁護士から申立書の提出があると、紛争解決センターから相手方へ申立書等を送付し、手続開始の通知をします。

相手方の応諾、答弁書の作成・提出

 相手方が、和解あっせん手続きに参加を希望する場合、答弁書を作成して、紛争解決センターに提出します(相手方の応諾)。
答弁書の作成には、Ⅰ申立サポート制度を利用する方法とⅡ相手方本人が答弁書を作成する方法があります。

 相手方の応諾があった場合には、(4.)以降のとおり手続きが進行します。
参加しない旨の回答があった場合や、手続開始の通知から3ヶ月が経過しても回答がない場合には、手続きが終了します(相手方不応諾による手続きの終了)。

あっせん人の選任

 相手方から手続参加の回答があった場合は、紛争解決センターがあっせん人の弁護士を選任し、第1回期日の日程調整を行います。

期日の開催

 期日は原則として、平日9時から17時の間に熊本県弁護士会館で開催されますが、事件の内容や当事者の事情等によっては、上記の時間や場所以外で期日が開催されることもあります。
 1~3回程度の期日での和解成立をめざしますが、事案によっては、3回を超えて期日を開催することもあります。期日の中で、あっせん人が和解成立の見込がないと判断した場合や、当事者から手続きの取下げ又は終了の申出があった場合には、和解不成立として手続きが終了します。

和解成立及び和解契約書の作成

 和解が成立した場合には、和解契約書を作成し、当事者とあっせん人が署名捺印します。
 和解契約書は当事者数+1部作成し、当事者に原本を交付します。残りの1部は紛争解決センターで保管します。
 なお、原則として、和解契約書は成立手数料が納付されてから交付します。

成立手数料の納付

 和解が成立し、和解契約書を交わす場合には「成立手数料」が発生します。成立手数料の詳細については「▼手数料」をご確認ください。
 なお、和解不成立の場合にはあっせん手続きが終了し、成立手数料は発生しません。

手数料

申立手数料

11,000円(消費税込)
 あっせん申立時に、申立人にお支払いいただきます。
 申立手数料は原則、返還されません。ただし、相手方が手続きに応じず、期日を1度も開催されずに終了した場合には、半額の5,500円が返還されます。
 なお、災害ADRの場合には、申立手数料は無料です。

成立手数料

 手続きが和解や仲裁判断により終了した場合は、以下の算定基準により計算した額の「成立手数料」をお支払いいただきます。成立手数料は原則として申立人と相手方の折半で納付していただきますが、事案の内容、背景、当事者の事情等に応じて負担割合が変わる場合もあります。
 また、災害ADRの場合には、事情に応じて3割程度減額されます。

[成立手数料の算定]

和解や仲裁判断による解決金額 算定基準
100万円以下 8%
100万円超~
300万円以下
5% + 3万円
300万円超~
3000万円以下
1% + 15万円
3000万円超 0.5% + 30万円

(別途消費税が加算されます)

その他の手数料

 手続きの過程で特別な費用を要する場合、申立人と相手方とで、別途、実費をご負担いただく場合があります。
 ただし、災害ADRの場合や、事件の内容、当事者の事情によっては減額又は免除される場合があります。

ADR申立ての方法

 申立ての方法には、▼ Ⅰ申立サポート制度を利用する方法▼ Ⅱ申立人が申立書を作成する方法があります。
 申立サポート制度は無料でご利用いただけますので、Ⅰの方法をおすすめします(但し、申立手数料は別途必要となります。)。なお、弁護士に依頼して申立てを行う場合やご自身で申立書を作成したい場合は、Ⅱの方法をご利用ください。

申立サポート制度を利用する方法
1. 申立サポート申込み

 次の申込フォームから申込みをしてください。申立サポート制度の利用は無料ですが、申立手数料は別途必要となります。

①平成28年熊本地震、②新型コロナウイルス感染症、③令和2年7月豪雨災害に起因する場合は「災害ADR申込フォーム」を、それ以外の紛争の場合は「一般ADR申込フォーム」を選択してください。

2. 申立手数料の納付

 申込みを受け付けた後、申立手数料11,000円(消費税込)の納付方法をメール送信しますので、それにしたがって、納付してください。

災害ADRの場合、申立手数料は免除

3. サポート弁護士による申立サポート

 申立手数料の納付を確認した後、担当のサポート弁護士からお電話をさしあげます。サポート弁護士が、申立ての内容をお伺いして申立書を作成し、紛争解決センターに提出します。これで、申立ては完了です。

申立手数料の納付からサポート弁護士の電話連絡までは、数日のお時間をいただく場合もありますので、ご了承ください。

サポート弁護士が申立内容を聞き取った結果、手続きに適さないと判断し、不受理となる場合があります。その場合、申立手数料は全額返還します。

サポート弁護士の聞き取り後に申立人の都合で手続きを取り下げる場合、申立手数料は半額のみの返金となります。

申立人が申立書を作成する方法
1. 弁護士による法律相談

 弁護士による法律相談を受け、紹介状を書いてもらってください。

 弁護士が代理人として申立てを行う場合は必要ありません。

2. 申立書の作成

 和解のあっせん申立書を作成してください。

3. 申立書等の提出

 次の書類等を紛争解決センターに提出していただければ、申立ては完了です。事案の内容によっては、追加資料の提出をお願いする場合がありますので、ご了承ください。ご不明な点等あればお電話でお尋ねください。

  1. 和解のあっせん申立書
    ※ 相手方の数+1部提出
  2. 紹介状
    ※ 弁護士が代理人として申立てを行う場合は不要
  3. 申立手数料 11,000円(消費税込)
    災害ADRの場合は免除。
  4. その他の必要書類
    ⅰ当事者が法人の場合:代表者の資格証明書(例:商業登記簿謄本)
    ⅱ申立ての理由を基礎づける証拠書類がある場合:その写し(コピー)

    相手方の数+1部提出
    一旦提出された書類は返却しませんので、必ず写しを提出し、原本はあっせん期日の際にご提示ください。

【提出先】
熊本県弁護士会紛争解決センター
〒860-0844 熊本市中央区水道町9番8号
TEL:096-325-0913
受付時間 9:00~17:00(祝日を除く月曜日~金曜日)

ご持参いただくほか、郵送での申立ても受け付けますが、その場合の申立手数料の納付方法については、紛争解決センターから改めてお知らせいたします。

その他、手続きについて以下の説明書に詳細が記載されていますので、申立てをされる前に必ずご確認いただきますようお願いいたします。

よくある質問

紛争解決センターとは何ですか。
 熊本県弁護士会が、市民の皆様の様々な紛争(トラブル)を、簡易かつ迅速な手続きで解決することを目指して設置した裁判外紛争解決機関です。
 「当事者どうしの話し合いだけでは解決が難しい、でも裁判まではしたくない」という皆様のために、法律の専門家である弁護士が、公正・中立な立場で紛争の解決をお手伝いします。
具体的には、誰がどのように解決するのですか。
 法律の専門家である弁護士があっせん人・仲裁人となり、対象となっている紛争について、公正・中立な立場で双方の言い分を聴き取り、和解(話し合い)のあっせんを行ったり、仲裁(解決のための判断)をしたりします。
 法律以外の専門的な知識を必要とする紛争については、建築士などの専門家と協力して解決を図ることもあります。
どのような事件を取り扱ってくれますか。
 基本的に制限はありません。当事者間で話し合いにより和解ができるものであれば、どのような紛争でも受け付けています。
 詳細は「▲取り扱う事例」をご確認ください。
解決までの時間はどのくらいかかるのですか。
 和解あっせん手続においては、概ね3回以内のあっせん期日での解決を目指します。期間の目安としては、短いもので申立てから1か月程度、長いもので3か月程度です。
 なお、1回あたりの期日はおよそ2時間程度です。
費用はいくらですか。
 申立手数料や成立手数料といった費用がかかります。
 金額等の詳細は「▲手数料」をご確認ください。
裁判所の訴訟や調停とは何が違うのですか。
 柔軟、迅速、土日の審理、非公開、弁護士関与などの点です。
 この点、裁判所の訴訟手続には、証拠に基づいて厳格な審理が行われ、強制力のある判決が得られるなどのメリットがありますが、その反面、時間がかかること、当事者の本当のニーズを探り当てた柔軟な判断がしにくいというデメリットがあるほか、代理人を付けない本人訴訟の困難さもあります。
 また、裁判所の調停手続は、費用が安いというメリットがありますが、平日の日中にしか行われないことや、必ずしも法律の専門家が調停委員として間に入るとは限らないといったデメリットもあります。
 これに対し当センターは、①形式にこだわらず、柔軟で納得のいく解決を目指す、②審理回数は原則3回以内の短期間で紛争解決を目指す、③必要に応じて土日・祝日の審理や、あっせん人を担当する弁護士の法律事務所や現地・現場等での審理も可能である、④手続は非公開で双方の秘密が保護される、⑤手続の最初から最後まで法律の専門家である弁護士が関与する、などの特徴をもっています。
和解あっせん手続と仲裁手続との違いは何ですか。
 「和解あっせん」は、あっせん人が当事者双方の言い分を良く聴いて調整し、双方の納得が得られれば、その合意内容を基に和解契約書を作成して終了します。
 これに対し、「仲裁」は、当事者双方が、解決を仲裁人(あっせん人)に委ねる旨の合意(仲裁合意)をし、これに基づいて仲裁人(あっせん人)が解決内容を判断します(仲裁判断)。この仲裁判断の場合には、執行決定という簡単な手続で、裁判所の判決と同様に強制執行ができることも特徴です。
弁護士に依頼せずに自分だけで申立てをすることは可能ですか。
 もちろん可能です。これまでにもご本人による申立てがなされ、解決に至った事例はたくさんあります。
相手方の住所がわからないのですが、申立ては可能ですか?
 相手方への通知は郵送にて行いますので、住所がわからない場合には申立てはできません。
 また、当センターにおいて相手方の住所等を調べることもできませんので、申立てをされる際には予め相手の住所・氏名は必ずご確認ください。
紛争解決センターに対する和解あっせんの申立て方法を教えてください。
 申立ての方法は複数ありますので、詳細は「▲ADR申立の方法」をご確認ください。
ADRの申立書と手続の案内が届きました。どうしたら良いですか。
 相手方としてADRの申立書を受領された方には、申立書と一緒に同封した回答書への回答をお願いしています。
 応諾せずに出頭しなくても、特に制裁はありませんが、紛争を解決するお気持ちがあれば、是非、期日に出頭し、あっせん人らの豊富な経験に基づいたアドバイスなどを参考に、紛争解決の道を探ってみる選択をおすすめします。
 また、当センターでは、相手方となった方の言い分を弁護士が聞き取って答弁書を作成する応諾サポート弁護士の制度を設けています。
 詳細は以下の説明書をご確認ください。
紛争になっていることを他人に知られたくありません。手続について秘密は守られるのでしょうか。
 もちろん守られます。和解あっせん手続は非公開で行われるほか、あっせん人は守秘義務を負いますので、トラブルの内容を外部の第三者に知られる心配はありません。
ADRの期日の際に相手と顔を合わせたくありませんが、可能ですか。
 原則として、控え室を別々にし、相手方と顔を合わせずに手続きを進めるよう配慮しています。
相手方が話し合いに出てきてくれない場合にはどうなりますか。
 当センターは、相手方が手続に応じることを強制することまでは出来ませんので、相手方が話し合いに出てきてくれない場合には、不応諾としてADR手続は終了します。
 相手方が手続に応じず、あっせん期日に1回も出席しないために手続が取下げまたは不応諾により終了した場合には、申立手数料の半額である5,500円が申立人に返還されます。
災害ADRとは何ですか。
 大規模災害が発生した際に、その災害に起因する紛争を対象としたADR手続です。
 当センターでは現在、「平成28年熊本地震」、「令和2年7月豪雨災害」、「新型コロナウイルス感染症」を災害ADRの対象としています。
 災害ADRに該当する場合には、通常のADR手続と異なり、申立手数料の免除及び成立手数料の減免の措置を行っております。
 特設ページを開設していますので、詳細はそちらをご確認ください。
遠方に住んでいるのでセンターへ出頭するのが難しいのですが、他に手続に参加する方法はありますか。
 電話やリモートによる出席が可能です。詳細は紛争解決センターへお問合せください。

問合せ先

熊本県弁護士会紛争解決センター
熊本市中央区水道町9番8号

TEL 096-325-0913 / FAX 096-325-0914