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被災ローン減免制度

コロナ版ローン減免制度(「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」の新型コロナウイルス特則)

新型コロナウイルス感染症の影響で収入が減少するなどして、住宅ローンや事業性ローン等の返済が困難になった方について、債務整理を行う方法があります。

自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン(以下「ガイドライン」と言います)の新型コロナウイルス特則とは

 新型コロナウイルス感染症の影響での失業や、収入・売上が減少したことなどによって、住宅ローンや事業性ローンなどの返済にお困りの方を対象として、一定の要件を満たす場合に、住宅ローン、事業性ローンなどの免除・減額を申し出ることができる制度です。

ガイドラインのメリット
いわゆるブラックリストに載りません。
一定の財産を手元に残せます。

特別定額給付金などの差押禁止財産に加え、一定の財産を手元に残せます。
なお手元に残せる具体的な額は、各債務者の生活状況などの個別事情により異なります。

原則として保証人への支払請求がされません。
手続の流れ
個人債務者がメインバンクに申込み

借入の元金総額が最大の金融機関等にこの制度の利用をご自身で申し出てください。

メインバンクが手続着手に同意

本ガイドラインが利用できないことが明らかな場合を除き、申込みから10営業日以内に金融機関等から同意書が発行されます。

個人債務者が弁護士会に支援弁護士の選任依頼

弁護士会に(a)金融機関等から受領した同意書(写し)と(b)次の登録支援専門家弁護士委嘱依頼書を提出してください。

熊本県弁護士会館にも書式を備え置いております。ご印鑑(認印で結構です。)をご持参のうえ、会館でご記入頂いても結構です。

個人債務者が全対象債権者に債務整理の申し出をし、財産目録等を提出

登録支援専門家の弁護士の支援を受けて準備を進め、全対象債権者に債務整理の申し出を行い、財産目録等を提出します。

個人債務者が全対象債権者に調停条項案を提出、説明

全対象債権者と協議し、調停条項案を原則 4. の債務整理開始申し出から3か月以内に全対象債権者へ提出します。

全対象債権者が個人債務者に回答

1か月以内に全対象債権者から同意又は不同意の返事があります。

簡易裁判所での特定調停申立て

個人債務者が、簡易裁判所に対し、特定調停の申立てを行います。

裁判所で調停条項確定

調停条項が確定したら、調停条項の内容に従って弁済を行います。

上記 1. から 8. まで、6か月~12か月程度の時間がかかると見込まれます。

費用

登録支援専門家弁護士の支援には費用がかかりません。

ご相談・お問い合わせ

ガイドラインに関するご相談は

熊本県弁護士会法律相談センター 
096-325-0009
委嘱依頼後の登録支援専門家の業務遂行に関するご相談

 委嘱依頼後の登録支援専門家の業務遂行について不適切な事由が認められる場合(正当な理由がない業務の遅滞など)、債務者または債権者からのご相談を熊本県弁護士会で受け付けています。まずは熊本県弁護士会(096-325-0913)までお電話下さい。

書式・資料等

ガイドラインに関するQ&A

手続は自分一人でやらないといけないのですか?

 登録支援専門家弁護士の支援を受けながら手続を進めていきます。登録支援専門家弁護士の支援については費用がかかりません。

金融機関に申し出たら、同意してもらえなかったのですが、どうしたらよいですか?

 ガイドラインの利用の申し出を受けた金融機関は、債務者が本ガイドラインを利用できないことが明らかな場合を除いて、同意しなければならないことになっています。各業界団体の苦情・相談受付窓口(http://www.dgl.or.jp/guideline/pdf/helpdesk.pdf)か、弁護士にご相談ください。

事業者でも使える制度ですか。

 個人事業主も要件を満たせば利用できます。個人のみを対象にしているため、法人は使えません。法人の保証人である代表者個人は、法人の債務を整理した後でなければこのガイドラインの利用は出来ないのが原則です。

債務者の収入や資力によって、ガイドラインを使えない場合もありますか。

 ガイドラインの利用には、新型コロナウイルス感染症の影響により収入や売上等が減少したことによって、債務を弁済することができないこと又は近い将来において災害前から残っている債務を弁済することができないことが確実と見込まれること、といったいくつかの要件が定められています。
例えば、(1)手元に残せる分(2の②)以外の資産が、負債額より大きい場合などは基本的には、利用が困難です。
また、(2)事業性ローンがなく年収が730万円以上の場合や、(3)既存の住宅ローン年間返済額や住居費の年収に占める割合が40%未満の場合には、個別のケースに応じて判断されることになります。詳しくは、熊本県弁護士会法律相談センターにご相談ください。

いつ借りたローンでも減免の対象になるのですか。

 令和2年2月1日(基準日)までに借りたものに加え、この基準日の後でも、同年10月30日までに新型コロナウイルス感染症による影響のために借りたものであれば対象になります。

銀行にガイドラインを使うと伝えれば、ローン返済がストップになるのですか。

 登録支援専門家の支援を受けて債務整理申出をしたときに一時停止(ストップ)になります。銀行への着手申出だけではローン支払の一時停止にはなりません。
ただし、債務整理申出前であっても金融機関が支払猶予に応じてくれる場合もありますので、銀行に相談してみてください。

一時停止(債務整理申出)まではローン返済しないといけないのですか

 債権者が猶予をしてくれなければ、返済を継続する必要があります。返済を継続しないと一括返済を求められたり、担保権を実行されてしまうことがありますから、債務整理の申し出を急いで準備しましょう。もっとも、延滞をしていてもガイドラインが全く利用できないというわけではありません。

債権者とリスケジュール(返済期間を長期化して1回ずつの返済額を減らす等の返済計画の見直し)をしてしまったり、債権者に一部返済してしまったのですが、ガイドラインは利用できないでしょうか。

 どちらもできます。もし、金融機関が「リスケジュールをしたからガイドラインを利用できない」と言うようでしたら、弁護士にご相談ください。
但し、一部返済等によりガイドラインの利用に影響がある可能性がありますので、事前に弁護士にご相談ください。

令和2年10月31日以降に借り入れや借り換えをしてしまったのですがガイドラインを利用できますか。

 令和2年10月31日以降の借り入れ等による債務は減免の対象とはなりません。また、同日以降に、新たに借り入れなどを行うと、これにより、支払能力・信用があると見られて、ガイドラインの利用ができなくなる可能性もありますので、新たな借り入れをされる前に、ガイドラインによる債務整理をご検討ください。

家は残して住み続けたいと考えているのですが、家を残す方法はありますか。

 住宅ローンの返済が残っている場合、たいてい、住宅ローン債権者のために自宅に抵当権が設定されていると思います。この場合、(1)自宅を売却して、その代金で住宅ローン債権者に優先的に弁済する方法だけでなく、(2)不動産鑑定士に自宅の公正価額を評価をしてもらい、その公正価額を住宅ローン債権者に一括弁済または分割弁済することを条件に、家を残す方法や、(3)住宅ローンを従来どおり返済し続けながら(住宅ローン以外の債務を減免する)、またはリスケジュール等により条件を一部変更して返済を継続することで家を残す方法もあります。なお、不動産鑑定士の費用も無料になります。

思っていたほど簡単な手続ではないのですね。

 債権者の経済的負担もあるため、適正な手続きが求められています。必ずしも簡単な手続ではなく準備のご負担もありますが、個人債務者の自助努力による生活や事業の再建というガイドラインの目的を達成するため、弁護士等の登録支援専門家がしっかりサポートさせていただきますので、ご利用をご検討ください。