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公害・環境

私たちの身近な公害被害

私たちの身近な公害被害としては、次のような例が考えられます。

  1. 農作物が枯れて甚大な減収となったが、その原因は隣の工場の煙突から排出されるガスではないかと思う。どうしたらよいか。
  2. 井戸水から基準値を超える有害物質が検出されたが、その原因は近所の工場で使用されている化学物質が地下に浸透したからではないかと思う。どうしたらよいか。
  3. 近所で工事が始まってから、自宅が傾き始めた。どうやら工事中に染み出た地下水を汲み上げたことが原因のようだ。どうしたらよいか。
  4. 近隣の工場から発生する作業騒音と振動に悩まされている。どうしたらよいか。
  5. 近隣の廃棄物処理場から発生する悪臭に悩まされている。どうしたらよいか。

 これらの例は、大気汚染、土壌汚染、水質汚濁、地盤沈下、騒音、振動、悪臭という典型的な公害(7大公害)だと言えます。近年では、この他にも景観の悪化や日照被害も公害として位置づけられています。

 このような公害被害にあった場合には、まず汚染物質の種類や量、あるいは音量、振動、悪臭の程度などを機器で測定し、記録しておくことが重要です。多くの公害問題では、法律などによって環境基準が定められていますが、その環境基準を超えているか否かが、問題を解決する上で重要なポイントになるからです。

このような機器による測定・記録は、市役所等の公害担当課などに依頼をした方がよいでしょう。

 次に、これらの問題については、当事者間の話し合いで解決できるならそれに越したことはありません。例えば、排煙対策や防音・防振対策等を講じてもらったり、作業時間・作業方法を工夫してもらったりするなどの方法がとれないかどうか、話し合ってみることです。

 話し合いで解決しないようであれば、次の方法として、市や県の公害苦情相談窓口に苦情を申し立てることが考えられます。このような苦情があると、行政職員が現地確認を行うなどの調査をしたり、公害の改善対策を検討して発生源に対する指導等をしたりするなどの対応が取られます。

 しかし、損害賠償の問題が絡んでくると、話し合いや苦情処理制度では簡単に解決しないケースも多いと思われます。

 そのような場合には、さらに県の公害審査会に調停等の申請をしたり、あるいは被害が広範囲に及んでいるようなケースでは、公害等調整委員会に責任裁定等の申請をしたりする方法もあります。これらの制度は、審理が比較的早く進み迅速な解決が見込まれるほか、専門家による鑑定等が、申請人の費用負担なしで利用できるなど、費用面でのメリットもあります。しかし、鑑定等の結果が必ずしも申請人に有利なものになるとは限らないというリスクもあります。
これらの行政機関による解決が困難な場合には、裁判所に訴えを提起して、中立・公平な立場から判断してもらうことになります。裁判になると、被害の原因がどこにあるのか等について原告側が立証しなければならないため困難もありますが、積極的な立証活動によってその困難を克服することも可能です。

 以上のように、公害問題を解決するための手続はいくつか用意されていますが、いずれの段階において、弁護士による専門的な立場からのアドバイスや代理援助が可能です。

公害被害に遭われた場合には、ひとまず弁護士にご相談ください。