特定秘密の保護に関する法律の廃止を求める声明
2014.02.25
政府は,多数の国民の反対や拙速な審議に対する批判があったにもかかわらず,平成25年12月6日,特定秘密の保護に関する法律(以下「特定秘密保護法」という。)を採決の強行により可決成立させ,同月13日に同法を公布し,1年以内に施行される見込みとなった。
当弁護士会は,特定秘密保護法について,特定秘密として指定可能な対象分野が広範かつ不明確であり,国民の知る権利・言論の自由,プライバシー権等の基本的人権を侵害するおそれが極めて強く,罪刑法定主義にも反し,国民主権原理にももとるものであるとして,同法の成立に一貫して反対し,街頭宣伝などの取組を行ってきた。
しかし,与野党の修正協議により法案の多少の修正はなされたものの,同法のもつ危険性は全く払拭されていない。
そして,同法は,政府が唐突に法案を提出したことに始まり,わずか2週間の募集期間で締め切られたパブリックコメント,名ばかりの公聴会,臨時国会の限られた会期での曖昧な政府答弁など,およそ不十分な国会審議で,国民の理解を欠いたまま,衆参両議院での強行採決により成立した。
国民の中に同法案への反対意見が大きく広がっていたにもかかわらず,衆参両議院で繰り返し強行採決されたことは,拙速な法案審議であったというべきであり,代表民主主義の観点からも非常に憂慮すべき事態といわなければならない。
当弁護士会は,特定秘密保護法の危険性を指摘し続けるとともに,日本国憲法の諸原理を尊重する立場から,同法の廃止を強く求めるものである。?
2014年(平成26年)2月24日
熊本県弁護士会
会 長 衛 藤 二 男