憲法違反の安保関連法案の採決強行に抗議する声明
2015.09.24
2015(平成27)年9月19日、参議院本会議における採決の強行により、平和安全法制整備法及び国際平和支援法(以下、あわせて「安保関連法」という。)が成立した。
安保関連法が憲法違反であることは、当会をはじめ、日本弁護士連合会、全国の弁護士会、弁護士会連合会が繰り返し指摘してきただけでなく、多数の憲法学者、元長官を含む元最高裁判所裁判官や歴代の元内閣法制局長官も明言している。
政府が、国民への説明義務を果すことなく、衆議院に続き参議院で採決を強行して同法を成立させたことは、民主主義を踏みにじる暴挙と言わざるをえず、当会は断固として抗議する。
政府は、「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止する権利」である集団的自衛権を行使することは憲法第9条に違反し、禁じられているとの解釈を堅持してきた。
長年にわたり確立してきた憲法解釈を、憲法第96条に定める改正手続によることなく、時の政治権力が正反対に変更し、集団的自衛権の行使を容認することは、立憲主義に違反する。
今回成立した安保関連法は、内容はもとより、その成立過程に多くの問題を抱えるものであり、当会は、国民と手を携え、憲法に違反する安保関連法のすみやかな廃止を求めていくとともに、廃止以前の時点で、同法の規定する措置が発動されることがないよう、全力を尽くす決意である。
2015(平成27)年9月24日
熊本県弁護士会
会 長 馬 場 啓