災害で苦しんでいる方々の支援を継続していくことを表明する会長声明-熊本地震・令和2年7月豪雨・新型コロナウィルス感染症-
1 3つの災害
熊本地震発生から5年を迎え,大災害の記憶も薄れつつありますが,いまだに熊本県内で150戸,418名が仮設住宅(建設型・借上型・公営住宅の全てを含む。以下同じ。)での避難生活を余儀なくされている(熊本県集約分・令和3年3月31日現在)ということを忘れてはなりません。
令和2年7月3日から4日にかけて熊本県南を襲った集中豪雨により,人吉球磨・芦北地方を中心に,死者行方不明者67名,5000棟を超える住宅が全半壊するという未曾有の大災害が起きました。復旧・復興は始まったばかりで,現在も1728戸,3950名が仮設住宅での避難生活をされています(熊本県集約分・令和3年3月31日現在)。
さらに,昨年始めから全世界に感染が拡大した新型コロナウィルスは,ワクチンが開発されてもなお,収束の見通しは立っておらず,日本においても第4波が全国に拡がりつつある状況下で,市民や事業者の皆様が,ご自身への感染を心配されるとともに,生活困窮,事業の継続に対する著しい不安が現実化しています。
2 当会の方針について
当会は,熊本地震及び令和2年7月豪雨の発災直後から,法律相談をはじめとする被災者の復旧復興支援の活動を継続し現在に至っていますが,地震や洪水という自然災害のみならず,感染症のまん延も「災害」と捉え,新型コロナウィルスの感染により影響を受けている方々に対しても,自然災害における被災者と同様,一人ひとりに寄り添った支援活動を継続していく所存です。
3 具体的支援策について
(1)無料法律相談(面談・電話・出張)の実施
熊本地震,令和2年7月豪雨災害及び新型コロナウィルス(以下「3災害」といいます。)に関連する法律相談について,事業者や個人の区別を問わず,「熊本県弁護士会法律相談センター」において,全て無料で,面談又は電話による相談に応じます。
<予約電話番号> 096-325-0009(平日午前9時から午後5時)
<インターネット予約>(24時間受付)
?https://www.soudan-yoyaku.jp/reserve/f_reserve_batop.php?bano=47
なお,令和2年7月豪雨において被害が大きかった人吉市・球磨村・坂本町・芦北町においては,弁護士が直接被災地に赴き,定期的な相談会を実施しています。お住まいの各自治体にお問い合わせください。
(2)中小企業事業者向け無料法律相談の実施
中小企業の事業者の方は,3災害に関連する法律相談について,「ひまわりほっとダイヤル」により,無料による法律相談を受けることができます。
<全国共通電話番号> 0570-001-240
(平日午前10時から12時・午後1時から4時)
<オンライン申込>(24時間受付)
https://www.nichibenren.or.jp/ja/sme/contact.html
(3)「被災ローン減免制度」の利用
3災害の影響により,既存の借入金(住宅ローン・学費ローン・自動車ローン・事業者ローン・社会福祉協議会からの借入・消費者金融からの借入等)の返済が困難となった個人(個人事業主を含む)の方は,要件を充たせば,借入金の減額又は免除をすることが可能です。弁護士が無料で支援を行いますので,債権者との返済計画の変更(リスケ)や破産等による清算手続を考えている方は,この制度が利用できないかどうか一度ご相談ください。
<予約電話番号> 096-325-0009(平日午前9時から午後5時)
<インターネット予約>(24時間受付)
https://www.soudan-yoyaku.jp/reserve/f_reserve_batop.php?bano=47
(4)弁護士による和解あっせん手続(災害ADR)の利用
3災害に関連した問題を原因として発生したトラブルについて,弁護士が紛争当事者の間に入って話し合いを行い,裁判をせずに早期円満な解決を援助する手続です。申立は無料で行うことができ,申込者及び応諾者に対して無料で書類作成のサポートも行います。
<お問い合わせ先(熊本県弁護士会紛争解決センター)>
096-325-0913(平日午前9時から午後5時)
熊本県弁護士会
会 長 原 彰 宏