せいかつQ&A

  1. ホーム
  2. せいかつQ&A
  3. ローン残ったまま家が全壊(熊本日日新聞 2016年7月13日付)

ローン残ったまま家が全壊(熊本日日新聞 2016年7月13日付)

2016.07.13
借金 借金

 Q 熊本地震で家が全壊しました。住宅ローンは2千万円近く残っています。跡地は所有しているので新たにローンを組んで建て直そうと思いますが、払えるか不安です。どうにかなりますか?

 A 「被災ローン減免制度」があります。金融機関との合意により、一定の財産を残しつつ、地震の前から持っている借金を減免(免除、減額)できる制度です。この制度を利用すると、いわゆるブラックリストに載ることはありませんので、借金が免除されたとしても融資を受けやすいことが特徴です。原則として保証人に請求されることもありません。
 地震前の借金を、地震の影響で支払うことができなくなった、もしくは支払うことができない恐れがある方が対象です。残せる財産は義援金と生活再建支援金、災害弔慰金、災害障害見舞金は全額、預貯金は目安として500万円以内、家財保険金は目安として250万円以内、そのほか生活必需品です。
 お持ちの財産の総額から、これらの手元に残せる財産を差し引いた分を支払えば、それ以上の借金は免除されます。
 所有している土地・建物を残したい場合には、その査定をしてもらって査定の価額分を分割して支払えば、土地・建物を手元に残すことができます。
 なお、新規の住宅ローンの融資を受けると被災ローン減免制度を利用できない恐れが高いので、新規融資を受ける前の利用をお勧めします。
                           弁護士 濱田康正