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取り立てを頼む相手は?(熊本日日新聞 2016年8月24日付)

2016.08.24
借金 借金

 Q 知人にお金を貸したのですが、返済期限を過ぎても返してくれません。別の知人が「取り立てをしてくれる人を知っているので、その人に頼んでみてはどうか」と勧めてくれました。そのような人に頼んでもいいのでしょうか。

 A 借金を返してくれない場合に、本人に代わって取り立てや交渉を行う業務は、「非弁行為」として処罰される可能性があります。非弁行為とは、弁護士でない者が、報酬を得る目的で弁護士業務を反復継続の意思をもって行うことをいいます。非弁行為は、法律で許可されている場合を除き禁止されており、2年以下の懲役または300万円以下の罰金に処せられます(弁護士法第77条)。
 非弁行為を行う者(いわゆる事件屋)に依頼した結果、法律を知らないことにつけ込まれて不当な解決を強いられることがあります。また、事件屋への報酬のほか、調査費用や供託金など使途不明の金銭の支払いを求められたり、依頼内容を世間に公表すると言われてゆすられたりするなど、問題が拡大する恐れがあります。事件屋に依頼することによって、本来の紛争だけでなく、別のトラブルが発生してしまうことも考えられるのです。
 あなたの代理人として活動できるのは、法律の専門知識を有する弁護士などの資格を持った者に限られています。法的な紛争が生じたときは、弁護士に相談してください。
                           弁護士 福西武夫