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敷地境界に塀を設置(熊本日日新聞社 2016年11月8日付)

2016.11.08
震災関連 震災関連

 Q 地震で隣の敷地との境界上にあった塀が壊れました。新たに塀を設置したいのですが、隣の方に承諾を得る必要がありますか。また、設置費用を負担してもらうことはできますか。

 A 民法上、所有者の異なる建物が2棟建っていて、その間に空地が存在する場合、各建物の所有者は費用を出しあって、その境界に囲障(塀や柵など)を設置することができます。囲障設置権といいます。設置費用は折半とされています。
 したがって、隣の承諾が得られなくても塀を設置することは可能で、費用も半分負担してもらうことができます。
 もっとも、勝手に塀を設置した後に費用を請求することを認めているものではありません。まずは協議して、まとまらない場合には裁判で囲障の設置を認めてもらう必要があると解されています。
 独断で囲障を設置した場合は、その設置費用は全て設置者の負担にすべきだという考え方もあるので、注意が必要です。
 塀の材料、高さについても、まずは隣との協議が必要です。協議で決まらなければ、民法上、囲障の材料は板塀や竹垣、その他これらに類するもので、高さは2メートルとされています(異なる慣習がある場合は、慣習によります)。
 以上は境界上に塀を設置する際の話です。自分の敷地内に自分の費用で塀を設置する場合、隣の承諾は不要です。
                           弁護士 袋田知花