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事故加害者が自賠責保険未加入(熊本日日新聞 2016年9月21日付)

2016.09.21
交通事故 交通事故

 Q 先日、交通事故に遭い、けがをしました。加害者に治療費などの支払いを求めたいのですが、加害者は資力がなく、任意保険にも入っていません。加害車両に自賠責保険も付いていないようです。私は、どこからも治療費などを支払ってもらえないのでしょうか。

 A 自賠責保険は、自動車を運行する場合に必ず加入しなければならない保険です。自賠責保険への加入が義務づけられているのは、交通事故の被害者が最低限、自賠責保険の範囲内で救済を受けられるようにするためです。自賠責保険未加入の場合、法律によって罰せられます。

 しかし実際には、加害車両が自賠責保険に加入していない場合もあります。この場合に被害者が全く救済されないのでは、被害者救済という自賠責保険の目的を達成できません。そこで加害車両が自賠責保険に未加入だったり、ひき逃げで加害車両が分からなかったりして、自賠責保険から支払いを受けられない場合に、国が加害者に代わって損害を補?[ほてん]してくれる制度が設けられています。
 この制度を「政府保障事業」といいます。政府保障事業における補償の内容は、自賠責保険の補償とほぼ同じです。政府保障事業への請求手続きは、自賠責保険を取り扱っている損害保険会社などの窓口で可能です。政府保障事業への請求には消滅時効がありますので、早めに手続きされることをお勧めします。同事業の詳しい内容については、弁護士にご相談ください。
                           弁護士 袋田知花