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建物修繕の請負契約(熊本日日新聞 2017年1月10日付)

2017.01.10
震災関連 震災関連

 Q 業者に建物の修繕を依頼しましたが、2カ月以上たっても始まりません。解約できますか。法律上の問題は生じませんか。

 A 質問のような請負契約では、業者が修繕を完了しない間、注文者はいつでも業者に生じた資材費用などの損害を賠償し、契約を解除できます。しかし、お金を払うのは納得できない場合が多いでしょう。
 訪問販売契約などクーリングオフ対象の契約であれば、法定事項記載の書面の受領日から8日以内は理由を問わず解約可能です。解約料などを支払う必要はなく、資材撤去など原状回復費用は業者の負担になります。
 クーリングオフ対象外の契約も解除できるケースがあります。書面記載の着工日を過ぎている場合は、履行遅滞による解約が可能です。着工日の記載がない契約では、業者に相当期間内(一般的には2~3週間)に着工するよう求め、「期間内に着工しない場合は解約する」旨の書面を送付すれば、その期間後に解約できます。
 また、契約時に合意した完成日時や期間内に工事が終わらず、それでは注文者が契約した目的を果たせず支障が出る場合は、催告なしに解約できます。
 クーリングオフ対象外の契約で、解約の際に業者に生じる平均的損害よりも著しく高額な違約金などの定めがある場合は、消費者契約法により平均を超える部分について無効を主張できます。
 契約時には着工日などの条件の確認が大事です。契約後にトラブルになったら、まずは相手方と話し合ってみましょう。
                           弁護士 室屋隼人