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事故の示談内容、納得できない(熊本日日新聞 2017年5月3日付)

2017.05.03
交通事故 交通事故

 Q 交通事故で、相手方の保険会社から示された示談の提案内容に納得できません。今後、どのような解決方法が考えられますか。

 A 交通事故の解決方法としては、示談交渉手続き、裁判手続きがあります。しかし、示談交渉では思ったより賠償金額が伸びないことがあります。一方、裁判手続きにはお金も時間もかかります。その場合、中間的な解決方法として、日弁連交通事故センターによる「示談あっせん」という手続きがあります。
 同センターは、日本弁護士連合会が財団法人として設立した組織で、現在は公益財団法人です。弁護士が運営に当たり、自動車事故に関する損害賠償問題の適正で迅速な処理を促進し、公共の福祉の増進に寄与することを目的としています。全国の相談所で弁護士が対応しています。
 損害賠償の交渉で相手方と話し合いがつかない場合、センターの弁護士が間に入って公平・中立な立場で、示談が成立するようお手伝いします。示談あっせんは、調停の民間版とも言うべき制度で、迅速で適正な賠償額での解決が期待できます。
 相談を申し込むには、事故の相手方が示談あっせんを対象にした保険会社に加入していることが必要です。そのほか、申し込みたい事案が、調停または訴訟手続き中にあるときなどは示談あっせんができません。ご注意ください。

弁護士 安村立哉