未成年者が親のカードで支払い(熊本日日新聞 2017年10月4日付)
2017.10.04
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Q 高校生の息子がオンラインゲームで、黙って私のクレジットカードを使いました。クレジット会社から多額の請求書が送られてきましたが、支払わなければならないでしょうか。
A 未成年者の行為でもあり、「契約を取り消す」と主張したいところですが、支払わなければブラックリスト入りしてカードが使えなくなる心配もあります。こうした事態を防ぐために、クレジット会社に事情を説明した方がよいでしょう。
カードの契約は、クレジット会社と会員である親との契約です。大抵のカード規約は、損害が会員の家族などによる場合、「会員が負担する」としています。またゲーム代金の決済時期が、翌月一括払いのように2カ月未満だと、割賦販売法に基づく、未成年者の契約取り消しの主張はできません。ただ、カード会社が本人確認情報の入力をきちんと要求していない場合などは「親に重い過失がない」とみなされて、カード会社の請求が認められなかった判例もあります。
一方、ゲーム会社と息子さんとの契約は、未成年者であることを理由に、取り消しを求めることができます。そうすれば、クレジット会社の親に対する請求そのものが「存在しない」と主張することも可能です。
ただ、親のクレジットカードの管理に重い過失があったような場合は、支払いを免責されないという判例もあります。クレジットカードの管理には、十分気を付けましょう。
弁護士 北里敏明