せいかつQ&A

  1. ホーム
  2. せいかつQ&A
  3. 遠方のお墓の管理(熊本日日新聞 2017年11月1日付)

遠方のお墓の管理(熊本日日新聞 2017年11月1日付)

2017.11.01
その他 その他

 Q 両親が他界しましたが、お墓が遠方です。管理をどうしようか悩んでいます。

 A お墓の管理は、その所有者が行う決まりです。誰が所有者なのかは、その土地の慣習に従うことになります。お墓の所有者を誰にするか親族間で話がつかない場合は、家庭裁判所の調停や審判手続きを利用して決めることができます。
 お墓が遠くて近くに移したい、あるいは納骨堂に移したいということであれば、「改葬」という方法があります。改葬は、市町村長にお墓を移す理由を記載した「改葬許可申請書」を提出し、許可を受けてから行います。改葬の許可を受けたお墓の解体や撤去などは、業者にお願いした方がよいでしょう。
 最近では、樹木葬や散骨という方法が話題になっています。樹木葬は、通常のお墓と同じように、墓地の経営者が墓地経営に関連する都道府県知事の許可を受けていることが必要です。
 散骨については、遺骨を粉末にすることで「形をとどめずにまくので遺骨の遺棄ではない」「死体の埋葬や焼骨の埋蔵にも当たらないために違法ではない」という理解の基に行われているようです。ただ、はっきりと散骨を「適法」とする公式の見解がないのが現状です。

弁護士 古城里美