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遺産分割の意見の相違(熊本日日新聞 2017年11月29日)

2017.11.29
相続・遺言問題 相続・遺言問題

 Q 父の遺産(自宅の土地建物と預貯金)の分配で、母と弟との話がまとまりません。母は自分が自宅をもらい、弟に預貯金を全て相続させたいと言っています。弟も同じ意見です。私は、預貯金はもらいたいのですが、このまま話し合いがまとまらなければ、どうすればよいでしょうか。

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 A お父さんの遺産の法定相続人は、お母さん、あなた、弟さんの3人です。それぞれの法定相続分は、お母さんが2分の1、あなたと弟さんがそれぞれ4分の1ずつ。お母さんや弟さんは、あなたが持つ4分の1の法定相続分を無視しようとしていますが、あなたが相続分を放棄したり譲渡したりしない限り、これを否定できません。
 ご家族で話し合いを成立させることが難しい場合は、家庭裁判所に調停を申し立てることができます。調停の手続きも当事者間の話し合いですが、家庭裁判所の調停委員を通して、お互いに遺産分割の主張や意向を伝えた上で、全員が納得のいく分割方法を考えていきます。
 基本的に当事者同士が顔を合わせないので、感情的な対立で話し合いが進まないことを防ぎ、冷静に自分の考えを伝えることができます。調停委員から、遺産分割のアドバイスを受けられる場合もあります。調停で遺産の分割方法が決まらなければ、裁判所に審判を申し立てて決めてもらうことになります。
 いずれの場合も、遺産分割は法律的な知識が必要で、事情によっては複雑な手続きが必要となります。お困りの際は、弁護士にご相談ください。

弁護士 島田健司