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退職後の未払い残業代請求(熊本日日新聞 2017年12月27日)

2017.12.27
労働問題 労働問題

 Q 勤めている会社が残業代を支払ってくれません。近く退職することになったので、未払いの残業代を退職後に請求したいと思います。どのような点に注意が必要でしょうか。


 A 残業代を請求するには、残業代の計算の根拠や、会社と争う際に証拠となるさまざまな資料が必要です。まず、残業時間を明らかにするために、タイムカードやICカード、業務日誌、会社で使っているパソコンの履歴など客観的に労働時間が分かるような資料(コピー)が必要となります。
 このような資料がない場合には、出退勤時間を自分で記録した日記や家族に対して送信した出退勤の連絡メールなどを使うことになります。会社の関与なしに作られたものでもあり、記載内容を会社が争う可能性が高くなります。日記などは、毎日記録をつけておくことが特に重要です。
 ほかに、残業代の計算に必要な資料として、就業規則や賃金規定のコピー、雇用契約書、月ごとの給与明細などがあります。雇用契約書や給与明細は捨てないよう気を付けてください。
 これまで説明した資料は、退職後の入手が難しいことがあるため、会社を辞める前にできるだけ多く集めるようにしてください。
 残業代は、毎月の給料の支払日から2年間で時効が完成します。できるだけ早く請求するようにしてください。請求した記録を残すため、配達証明付き内容証明郵便を使うことをお勧めします。

弁護士 田畑求三