就職する時の身元保証人(熊本日日新聞 2018年3月14日付)
2018.03.14
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Q 就職するおいっ子から身元保証人を頼まれました。一応、承諾はしたものの、どのような責任をいつまで負うのかがはっきりせず不安です。また、私が死んだ場合、身元保証人の責任は妻も負うことになるのでしょうか?
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A 身元保証は、被雇用者が企業に損害を生じさせた場合に、その損害を身元保証人が穴埋めするため、企業が人を雇う際に締結します。
身元保証人の責任は、身元保証に関する法律(身元保証法)に定めています。この中で身元保証の存続期間について、期限を定めなかった場合は原則として成立の日から3年間(商工業は5年)、期限を定めた場合も5年を超える期間を設定することはできないことになっています。なお、身元保証の更新はできますが、更新期間も5年を超えることはできません。
また、万が一、おいっ子が勤め先の企業に損害を生じさせた場合でも、企業に監督不十分などの事情がある場合には、身元保証人の責任が減額ないし免除される場合もあります。身元保証人の相続は判例で否定されており、仮に相談者が亡くなったとして、その時点で具体的な損害が発生していない場合は、それより後に妻が責任を負うことはありません。
身元保証に応じる際は、どのような責任が生じるかよく確認するとともに、保証を求められるような事態となっても企業に落ち度などがなかったか事情をよく確認することが大切です。
弁護士 北條将人