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妻子に相続させる方法(熊本日日新聞 2018年3月28日付)

2018.03.28
相続・遺言問題 相続・遺言問題

 Q 自分の死後、妻子に不動産や預貯金を相続させるにはどんな方法がありますか。いったん相続を決めた後で、不動産を売ったり、預金を下ろしたりできるのでしょうか。

 A 一般的なのは遺言で、公正証書遺言がよく使われています。専門家の公証人と証人2人の下で作成するため信頼性が高く、後日、遺言内容に不満を持つ相続人から異議が出にくいという利点があります。加えて死亡後の登記手続きや預金の払い戻し手続きが簡単で、ほかの相続人の印鑑をもらう必要がありません。

 一方、自分一人でできるのが自筆証書遺言などです。ただ、ほかの相続人から「遺言は無効だ」と異議が出るケースが予想されます。また、登記や預金の払い戻しなど手続きのすべてに法定相続人の協力が必要です。
 もう一つの方法が「死因贈与」です。「自分が死んだら財産は〇〇に贈与する」という内容で、贈与する側と受け取る側の契約書を作ります。不動産を仮登記して、受け取る側に安心してもらうメリットもあります。贈与者が署名して実印を押していれば、契約書だけで相続登記ができます。ただ、預金の払い戻しについては金融機関の対応は一定していないようです。
 遺言、死因贈与ともに財産を生前に処分したり、預金を引き出したりすることは自由です。受け取る人の承諾は不要です。

弁護士 舞田邦彦