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遺言書の作成(熊本日日新聞 2013年8月31日付)

2013.08.31
相続・遺言問題 相続・遺言問題

Q 私には息子が2人、娘が1人います。娘は妻を亡くした私と同居し、私の世話をしてくれています。私の死後、住居は娘に相続させたいのですが、どうしたらいいですか。

A 子どもが3人ですから、遺言書で遺産の分割方法を指定しない限り、遺産はそれぞれ3分の1ずつの相続分を基準に、子どもたち全員の話し合いで分割されます。
 話し合いがまとまらない場合もあるので、生前に、住居は娘に相続させるという内容の遺言書を作成することをお勧めします。
 遺言書の方式は厳格ですので、間違えるとせっかく作っても効力が否定されます。遺言書には3種類あります。
(1)「自筆証書遺言」は、遺言者が書面に遺言内容、日付、氏名の全文を「自署」して押印したものです。ただ、ワープロで作成して印刷したものは無効です。
(2)「公正証書遺言」は、公証役場で公証人に作成してもらう遺言書です。2人以上の証人と一定の費用が必要ですが、方式や内容の不備という問題はなく、遺言書の現物は公証役場で保管され、変造の恐れがありません。
(3)「秘密証書遺言」は、内容を秘密にしたまま、存在のみを公証人に証明してもらう遺言書です。内容に間違いがあっても訂正されません。
 遺言の内容が、相続人の「遺留分」(民法によって保障されている相続人の財産割合)を下回る場合には、相続開始後、遺留分減殺請求の問題も生じます。遺言書の作成は弁護士に相談されることをお勧めします。

弁護士 荻迫 光洋