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子どもが自転車で交通事故(熊本日日新聞 2016年9月7日付)

2016.09.07
交通事故 交通事故

 Q 小学校5年生(11歳)の子どもが、歩道を自転車で走行中、お年寄りに衝突し骨折させてしまいました。子どもと親の責任はどうなるのでしょうか。

 A 自転車は原則として歩道を通行できませんが、13歳未満であれば通行できます。お子さんは11歳ですから自転車で歩道を通行できますが、その場合でも、自転車の進行が歩行者の通行を妨げることになるときは、一時停止しなければならないとされています。
 お子さんには、前方を注視し歩行者の通行を妨げてはならない注意義務があり、それを怠ったと思われますので、過失はあると考えられます。
 お子さんは、責任能力がなければ責任を負いません。責任能力とは、自分の行為の結果についてどのような法的責任が発生するか判断できる能力で、小学校卒業程度の年齢が目安になっています。子どもに責任能力がない場合は、親が監督義務者として責任を負います。もっとも、監督義務を怠らなかった場合は別ですが、11歳の子の自転車事故で母親が損害賠償請求された事件で、裁判所は母親の注意や指導が奏功していなかったとして、監督義務を果たしていないと判断しました。
 このように、親が責任を免れるのは難しいでしょう。子どもに責任能力があっても、親も責任を追及される可能性があります。いずれにしても親は責任を負う可能性が高く、自転車事故に対応した保険に加入しておくのも良いでしょう。
                           弁護士 福山素士