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家族信託の活用 財産承継も可能に(熊本日日新聞 2018年7月4日付)

2018.07.04
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 Q 70歳を超え、財産管理がきつくなってきました。認知症の兆候もあると言われています。財産の管理や承継方法として、家族信託という制度があると聞きました。どのような制度でしょうか。

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 A 家族信託は、信託法上の民事信託を利用したもので、家族に財産の管理などを委託し、委託を受けた家族が財産管理を行う制度です。委託を受けた家族は、委託者から指定された受益者(財産から生じる利益を受け取ることができる人)のために、財産の管理・処分・運用を行います。受益者には委託者本人がなることも、第三者を指定することもできます。
 2006年の信託法の改正により、営利目的ではない信託が認められるようになりました。信託業免許を持たない個人も委託を受けることができるようになり、家族信託という方法を取ることができます。
 例えば、本人の判断能力が衰える前に賃貸物件の管理を家族に委ね、自分を受益者として賃料収入を得ることができます。また、受益者の順番を決めることができ、財産承継の制度として利用することもできます。
 家族信託をする際には、財産管理を依頼する家族との間で、どのような財産管理を行うか、だれを受益者とするかなどを決めた契約書を作成します。財産に不動産がある場合は、登記手続きを行なう必要があります。

弁護士 守田英昭