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自転車事故への備え(熊本日日新聞 2018年7月18日付)

2018.07.18
交通事故 交通事故

 Q 自転車で歩いている人にぶつかって、大けがを負わせてしまうケースを見聞きします。自転車の事故に、どのように備えれば良いでしょうか。

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 A エコブームや健康意識の高まり、震災のような災害時の移動手段として、自転車の価値が見直されています。一方で、2017年度の統計では、県内で年間700件ほどの自転車事故が発生しています。自動車事故と比べて、自転車事故はあまり減っていません。
 スピードが出る自転車は、衝突時にかなりの衝撃を生み出します。人とぶつかると重大な結果を生じてしまうことは、容易に想像できます。それでも、自転車事故の賠償責任は、軽視されてしまう傾向にあります。
 まず前提として理解していただきたいのは、自転車による事故は自動車保険ではカバーされないケースが一般的だ、ということです。その一方で、自転車保険は自動車ほど普及していないのが現状です。
 自転車事故には、専用の保険加入が必要です。日本交通管理技術協会が推奨する「TSマーク」という自転車保険が普及しつつあります。費用も安く加入しやすい保険ですが、補償範囲は必要最小限に限られます。事故で後遺障害を生じた場合、重度なものしか補償されず、むち打ちなどは対象外。やはり、自転車専用の保険に加入することをお薦めします。
 なお、保険の補償期間は基本的に1年間です。毎年の更新を忘れないようにしましょう。

弁護士 安村立哉