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遺言書作った方がいい?(熊本日日新聞 2018年8月1日付)

2018.08.01
相続・遺言問題 相続・遺言問題

 Q 私は現在70歳です。今のところ健康状態に何も問題はなく、3人の子どもも独立して安定した生活を送っています。相続で争いになることはないと思いますが、遺言書を作った方が良いでしょうか。

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 A 遺言書がなければ民法に従って相続するので、妻と3人の子どもが相続人の場合、妻が2分の1、子どもが各6分の1ずつの割合で遺産を相続することになります。
 ただ、割合は民法で定められていても、具体的に遺産をどう分けるのかは話し合いで決めなければいけません。例えば、自宅は妻が相続し、預貯金は子供が相続するなど、折り合いがつかなかった場合には、争いになってしまうかもしれません。相続を「争続」にしないためにも、遺言書の作成をお勧めします。
 遺言書の内容を工夫すれば、民法に縛られない柔軟な相続が実現できます。今後、妻の面倒を見ていく子どもには多めに遺産を残したり、これまで生活費を援助してきた子どもには少なめに遺産を残したりすることなどもできます。
 遺言書を作る前には、自分にどのような財産があるのかをきちんと把握する必要があります。元気で体力があるうちに、不要なものを整理するなど自らの財産の「棚卸し」をするといいかもしれません。
 どのような内容の遺言書にするのかは、家族関係や遺産の内容などによって異なります。詳しくはご相談ください。

弁護士 山内圭太郎