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借用証書なくお金貸した(熊本日日新聞 2018年9月26日付)

2018.09.26
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 Q 何年か前に、高校の同級生に頼まれてお金を貸しました。断り切れずに借用証書もなく貸してしまいましたが、うやむやになっています。お金を返してもらうことはできるのでしょうか。

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 A 契約は、お互いの意思が合致すれば成立するため、口約束でも成立します。お金を貸してほしいという同級生の意思と、それを承諾する相談者の意思が合致してお金を渡せば、借用証書や契約書がなくても契約は成立します。
 しかし、借用証書などがない場合は、実際にお金を返してもらえるかどうかは別問題となります。残念ながら、同級生がお金を借りたことを否定してきた場合、「貸した」「借りていない」と、水掛け論になってしまいます。
 金融機関からお金を借りるときは、必ず契約書を作ります。これは、契約書を証拠として残すため。言い換えれば、どのような約束をしたのか、書面で残すことで後にトラブルが発生することを防ごうとしているのです。こうしたケースを参考にするなら、借用証書などがなければ、同級生からお金を返してもらうことは難しい、と言えそうです。
 しかし、借用証書などがなくても、お金を振り込んだ際の振込明細書や、電子メールなどのやりとりが残っていれば、お金を返してもらえる場合もあります。実際に返してもらえるかどうかは、どのような証拠があるかによります。一度、弁護士に相談してみてください。

弁護士 森枝大輔