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相続手続き、生前にできること(熊本日日新聞 2019年6月5日付)

2019.06.05
相続・遺言問題 相続・遺言問題

 Q 相続手続きには戸籍謄本がいると聞きましたが、具体的にはどんなものが必要でしょうか。また、通帳についてはどんな注意が必要でしょうか。生前にできることがあれば教えてください。


 A 戸籍謄本には、いろいろな種類があります。相続でまず必要となるのは、故人の生前から死亡までの全ての戸籍謄本です。本籍地の変更や養子縁組があれば、それらが分かる「原[はら]戸籍」などがいります。故人に子どもがいないかどうかの確認に加え、死亡そのものについては「除籍[じょせき]謄本」が必要です。
 相続人についても全員の戸籍謄本が必要となります。相続人が遠方や海外にいるような場合は、いざという時のために普段から準備しておくことをお勧めします。郵送で取り寄せることが可能です。加えて、相続人全員の印鑑証明書と実印がいります。印鑑登録をしていなければ、登録の必要もあります。印鑑証明書の有効期限は、発行から6カ月以内です。
 以上の書類は、できれば3部ずつ用意しておくと便利です。ただ、相続人全員の戸籍謄本などを集めるのは簡単ではありません。行方不明の人がいたり、相続人の間でもめたりすると手続きが進まなくなります。手続きが難しい場合は、早めに専門家にご相談ください。
 意外と手間がかかるのが通帳の管理とチェックです。あまりに多くの通帳があると相続手続きに時間がかかるため、使わない口座は解約しておいた方がよいでしょう。通帳がない場合は取引履歴を請求することになります。日ごろから通帳をしっかり管理しておくことが大切です。

弁護士 松本津紀雄