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里道、ブロック塀で通行妨害(熊本日日新聞 2019年7月3日付)

2019.07.03
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 Q 自宅近くに通る里道を、生活道路として近隣住民と使っています。ある住民が里道に植木鉢やプランターを置くようになり、最近ではブロック塀を造って通行に支障が出ています。どうすれば良いでしょうか。

 A 里道は、古くから農道などとして利用されてきた土地です。道路法などの適用がない公共物で、公図に赤色で表示されていたことから「赤道」とも言われています。かつては、すべての里道が国有地でしたが、現在では市町村に無償で委譲され、市町村が管理しています。
 ご質問のケースでは、まず市町村役場の窓口に相談してみてください。里道を管理する市町村が、通行の支障となるブロック塀を造った住民に対して、適切な対応を取る必要があります。
 これとは別に、近隣住民が、通行を妨害している住民に対して直接、ブロック塀を撤去するよう求めることもできます。
 裁判では、近隣の住民が日常生活を送るために必要な行動を、自由に行うことができる権利として認めた例があります。里道については自由に通行する権利がある、と判断したもので、里道という公共物に対する個人の権利を認めるものです。
 里道の通行妨害が続くようであれば、直接、妨害行為を行っている住民に対して、妨害の排除(ブロック塀の撤去)を求めることができます。手続きなどについては、弁護士にご相談ください。

弁護士 森 徳和