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壊れた借家の修繕は?(人吉新聞 2020年10月22日付)

2020.10.22
豪雨災害 豪雨災害
(お悩みごと)
水害で借家の一部が損傷しましたが、大家さんが修繕してくれません。逆に、退去して欲しいと言われています。どうしたらよいでしょうか?

(弁護士からの回答)
 大家さんとの交渉がうまくいかず、お困りのようですね。
 まず、法律的なお話からしますと、建物が「滅失」したと判断される場合には、賃貸借契約は終了しますので、借主は退去しなければなりません。「滅失」か否かの判断は、損壊の程度に加えて、修復と新築のどちらが経済的かといった事情を総合的に検討し判断されます。
 建物が「滅失」にまでは至っていない場合、法律上は退去の必要はありません。この場合、賃貸借契約上の特約の有無、その内容にもよりますが、基本的に、家主は、必要な修繕をする義務を負うことになります。
 それでも、修繕の範囲・程度が問題となったり、家賃の減額等付随的な問題が生じたりする場合もあるでしょう。
 「理屈は分かったバッテン、お互いカーッとなって話し合いにならんとタイ。」
 そんなときは、弁護士会の災害ADRを是非ご利用ください。ADRとは、話し合いで、もめごとを解決する手続きです。弁護士会ADRでは、もめごとを解決するプロである弁護士があっせん人となって間に入り、お互いのお話をお伺いしますので、冷静に話し合いを進めることができます。裁判と違って、早期の解決も期待できます。申込みも、所定の申込用紙を事務局に郵送・FAXするだけで簡単です。ご不明な点等あれば、熊本県弁護士会紛争解決センター事務局(電話番号096-325-0913)へお気軽にご相談ください。
弁護士 中山 健


人吉・球磨法律相談センター
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