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災害関連死に支援は?(人吉新聞 2020年11月26日付)

2020.11.26
豪雨災害 豪雨災害
(お悩みごと)
 私の祖父は、水害で一命をとりとめましたが、その後、体調を崩して亡くなりました。このような場合、何か支援はあるのでしょうか。

(弁護士からの回答)
 災害弔慰金の支給等に関する法律では、災害によって家族を亡くした遺族に対して災害弔慰金を支給すること等が定められています。
 この災害弔慰金は、浸水や土砂崩れなど災害による直接的な被害で死亡した場合だけでなく、避難生活での体調悪化による死亡など災害と死亡との間に関連性(相当因果関係)が認められる場合にも支給されます。内閣府では、後者の場合を「災害関連死」(当該災害による負傷の悪化又は避難生活等における身体的負担による疾病により死亡し、災害弔慰金の支給等に関する法律に基づき災害が原因で死亡したものと認められたもの)としています。災害弔慰金の支給額は、主たる生計維持者が死亡した場合には500万円、それ以外の人が死亡した場合には250万円となっています。
 災害関連死の原因としては、災害で病院の機能が停止したことによる初期治療の遅れや既往症の悪化、避難所等への移動や避難所等での生活における肉体的・精神的疲労などがこれまで報告されています。
 なお、災害弔慰金を支給しないという不支給決定に不服がある場合には、申請者である遺族は、不支給決定を行った市町村長に対する審査請求や不支給決定の取消訴訟を提起することができます。それぞれの手続には期限がありますので、詳細については弁護士にご相談ください。
弁護士 藤木美才


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