せいかつQ&A

  1. ホーム
  2. せいかつQ&A
  3. 離婚時の年金分割(熊本日日新聞 2014年3月1日付)

離婚時の年金分割(熊本日日新聞 2014年3月1日付)

2014.03.14
離婚・家庭問題 離婚・家庭問題

Q 専業主婦です。離婚時の年金分割について教えてください。

A 専業主婦の場合、2008(平成20)年4月以降に婚姻していた期間の年金について、夫婦の合意が無くても社会保険事務所に請求すれば夫の厚生年金の2分の1を受け取ることができます(強制分割制度)。
 これとは別に、夫婦で案分[あんぶん]割合について合意して分割することができます(任意分割制度)。2008年4月以降の分に限られません。割合について合意して手続きをすれば、基礎年金に上乗せされる厚生年金を最高2分の1まで受け取ることができます。
 まず、「年金分割のための情報提供請求書」を社会保険事務所に提出して、「年金分割のための情報通知書」を交付してもらいます。これをもとに案分割合を決めます。
 割合が決まったら、社会保険事務所に年金分割の請求をする必要があります。請求は離婚が成立した日の翌日から2年以内に行ってください。2年を過ぎると請求ができなくなりますので、注意してください。
 請求手続きをすると、夫と妻の標準報酬の記録が変更され、分割後の記録に基づいた年金を、自分の受給年齢からもらえるようになります。分割後の記録は妻の年金記録になりますので、分割後、例えば元夫が死亡したり再婚したりしても、妻は分割後の記録に基づき年金を受け取ることができます。

弁護士 田中 真由美