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暴言浴びせる夫と離婚したい(熊本日日新聞 2019年9月25日付)

2019.09.25
離婚・家庭問題 離婚・家庭問題

 Q 小学生の子どもがいる専業主婦です。結婚10年の夫は、けんかになる度に「クズ」「おまえは生きている価値がない」などと人格を否定するような暴言を私に浴びせ続けています。「一生、俺から逃げられない」と言う夫と離婚できますか。

 A 離婚は双方の同意がなければ成立しないのが原則です。相手が離婚に応じないような場合には、調停手続きを経てから離婚裁判を起こし、裁判所に離婚を認めてもらう必要があります。
 裁判所が離婚を認めるのは、民法に規定されている離婚原因があると認められた場合のみです。今回のような度重なる暴言を原因として離婚を求める場合には、その暴言が「婚姻を継続し難い重大な理由」にあたるかどうかが問題となります。
 相手がけんかの度に、あなたに浴びせていた暴言の事実を、夫の側が認めないことも考えられます。そうなれば、相手からの度重なる暴言を録音データや日記、行政機関への相談記録などから証明していく必要があります。
 こうした資料がなく、相手の度重なる暴言が証明できないような場合でも、相当な期間、別居をしていれば「婚姻を継続し難い重大な理由」がある、として離婚が認められる傾向にあります。「相当な期間」は、事案によって判断が異なります。目安としては、おおよそ3年から5年と考えていただければよいと思います。1人で悩まず、ご相談ください。

弁護士 岩下芳乃