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終活のポイント(熊本日日新聞 2019年10月9日付)

2019.10.09
相続・遺言問題 相続・遺言問題

 Q 最近、私の周りで終活に取り組む方が増えています。心掛けた方が良い大事なポイントがあれば、教えてください。

 A 終活を進める上で、法的に大切なポイントが三つあります。
 まず一つ目は、遺言書を書くこと。遺言書は、あなたの財産をご家族にどのように分配するのかを明らかにするもので、家族の間で遺産を巡ってもめることがないようぜひともご用意ください。
 「まだ書くような年齢ではない」と言われる方もいらっしゃいますが、認知症などが進んだ後では、遺言書が無効になってしまう可能性もあります。早めに作成しておくことに越したことはありません。
 二つ目は、成年後見制度を利用するための準備です。高齢の方を狙った詐欺被害が増えていることに加え、年を重ねれば適切な財産管理ができなくなる可能性もあります。そうした場合に備え、本人に代わる第三者が、財産などを管理する成年後見制度を利用できるように準備を整えておきましょう。
 三つ目は、お墓や法事などの祭祀[さいし]をだれが受け継ぐのかを決めておくことです。原則として、祭祀に関わることは慣習で決まりますが、亡くなった方が事前に指定しておけば、その指定された人が祭祀を承継することができます。
 親族の中で、お墓を守っていく適任者がだれかを事前に見極め、その方にお願いしておいてください。また、そのことを書面にして残しておくことも大切です。

弁護士 大林真悟