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けんか相手にけが負わせ逮捕(熊本日日新聞 2019年10月23日付)

2019.10.23
刑事事件 刑事事件

 Q 息子がスナックで隣に座ったグループと口論になり、けんかして相手にけがを負わせてしまいました。息子は警察に逮捕されました。今後、どうなってしまうのでしょうか。

 A 若い人が飲食店などで酒を飲みけんかして他人を傷つけてしまうような事件は、新聞でもよく見かけるニュースです。逮捕後の法律的な問題としては、刑事事件と民事事件の二つを考えなければなりません。
 故意に他人を傷つけた場合は、刑事事件として取り扱われます。傷害罪として警察、検察庁の捜査を受け、刑事裁判となります。15年以下の懲役か50万円以下の罰金の刑罰を受ける可能性があります。
 けがが軽ければ、略式裁判や不起訴処分もあります。家族としては、警察の担当者に事情を詳しく聞いてください。刑事処分を軽くするためには、被害者への謝罪や金銭を支払う示談を成立させることも有効です。刑事手続きが進むため、身柄が逮捕、勾留中ならこうした対応を急いだ方がよいでしょう。
 けがを負わせても、状況次第では加害者側に正当防衛が認められる場合もあります。その点も頭に入れておいてください。
 次に民事事件としての対応ですが、他人を傷つけることは損害賠償の対象となります。相手の治療費、慰謝料、休業に伴う損害など、けがの程度や治療期間で異なる損害額を賠償しなければなりません。治療後のやり取りが必要なので、問題解決にはしばらく時間がかかります。
 いずれもご家族には経験がないことばかりでしょう。弁護士などに相談してアドバイスをもらうことをお勧めします。

弁護士 大村豊