事故の後遺症「非該当」に(熊本日日新聞 2019年11月20日付)
2019.11.20
交通事故 交通事故
Q 車で追突されて、首や肩、腰に痛みとしびれが出て治りません。損害保険料率算出機構に後遺症を申請しましたが、「非該当」と判断されました。どうすれば認めてもらえるのでしょうか。
A 交通事故で追突された場合の後遺症には12級と14級があり、12級は「局部に頑固な神経症状を残すもの」、14級は「局部に神経症状を残すもの」と定義されています。
具体的には、14級が「しびれや痛みが磁気共鳴画像装置(MRI)検査などの診断では確認できないものの、一定の神経症状が一貫して認められる」、12級は「МRIなどの画像でしびれや痛みの症状が客観的に確認できる」ことなどが必要とされています。
後遺症を「非該当」と判断されて納得できなければ、異議申し立てをすることができます。何度でも異議申し立てできますが、МRIやコンピューター断層撮影(CT)検査の画像とともに異常部分を指摘してもらう医師の意見書を添えたり、治療が継続中であることを主張したりすると有効です。医師の意見書は、画像鑑定を手掛ける民間会社に有料で依頼することもできます。
また、障害者が事故に遭ってしびれなどの新たな後遺症が出たときでも、これまでは「神経系統は同一」として後遺症が認められませんでした。ところが「原因が異なるため、同一部位の障害ではない」との判例が出て以降は「別の後遺症」と認められるようになっています。
後遺症と判断されれば、慰謝料や後遺症による逸失利益が認められます。補償金額が上がると、その後の生活の支えとなるので諦めないことが肝心です。
弁護士 加藤 修