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遺留分の不動産相続(熊本日日新聞 2019年12月04日付)

2019.12.04
相続・遺言問題 相続・遺言問題

 Q 10月に父が他界しました。私が後を継ぐ会社の株式や不動産も含めて、遺産をすべて私に相続させるという遺言書が作られていました。弟は「自分にも遺留分があるのでは」と言っています。

 A 遺留分とは、遺産相続の際に兄弟姉妹以外の法定相続人が請求した場合に、遺産の一定割合を受け取ることができる権利のことです。今年の法改正で取り扱いが一部変わりました。
 ご相談のケースでは、20年前にお父さまから贈与を受けた自宅の敷地があるとのこと。遺留分を請求されると、これまでは不動産などの遺産は弟さんとの共有になっていました。しかし、それでは遺産を「あなたに与えたい」というお父さまの遺志が尊重されません。共有となるとその取り扱いも不便になります。
 そこで法改正では弟さんの遺留分について、相続の対象となる不動産そのものではなく、その価値に見合う金銭をあなたに請求できるようになりました。
 一方、法改正の前は、あなたへの生前贈与がいつ行われたのかを問わず、遺留分の対象となっていました。しかし改正後は、生前に贈与した財産は、相続開始前の10年間を対象とすることになりました。ただ、贈与の当事者双方が、遺留分の権利がある人に損害を与えることを知った上で贈与が行われた場合には、10年の期間に制限なく遺留分の計算対象となります。
 この遺留分の法改正は、2019年7月1日以降の相続について適用されます。それ以前に開始されていた相続については、改正前の法律が適用されるので注意が必要です。

弁護士 奥村惠一郎