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高額な電話機リース契約(熊本日日新聞 2020年1月15日付)

2020.01.15
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 Q 個人商店を営む高齢の父が、業務用として高額な電話機リース契約を結んでしまいました。ほそぼそと続けている店なので、電話は自宅用として使うことがほとんどです。不要なリース契約を解約することはできますか。

 A 電話機などのリース契約は、「ファイナンスリース契約」と呼ばれているものがほとんどです。この契約はリース会社が機械設備などを販売業者から購入し、契約者からリース料を支払ってもらって機器を貸し出す仕組みです。
 契約者はリース料で全額分を支払っても機器の所有権を取得することができません。リース会社は契約成立後に販売業者に対して売買代金を一括して支払い、契約者からリース料を通して売買代金と利益の回収を行うので、通常は契約者がリース契約を中途解約しても残りのリース料を全額支払わねばならないとされています。
 ご相談の件では、お父さまがリース契約を中途解約すると、残ったリース料を一括して支払う必要が生じます。ただし、勧誘にきた営業がお父さまをだましたり、勘違いさせたりして契約させた場合には、契約の取り消しや無効の主張ができる可能性があります。
 法定期間内に契約申し込みの撤回や契約解除ができるクーリング・オフは、事業者が業務として行った契約については適用されませんが、お父さまのように事業の実態がほとんどなく、その営業のために契約したとはいえない場合は、クーリング・オフできる可能性があります。
 リース契約などの書類を持参した上で、お父さまと一緒にお近くの弁護士にご相談ください。

弁護士 古城里美