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マンションのバリアフリー化(熊本日日新聞 2020年3月25日付)

2020.03.25
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 Q 高齢の母のために、自宅マンションのバリアフリー化を考えています。ところが工事には、マンション管理組合理事会の承認が必要だそうです。マンションは自分の持ち物なのに、理事会の承認がなければ工事はできないのでしょうか。

 A 民法上、自分が所有するものについては、その処分や変更を自由にできるのが原則です。しかしマンションについては、マンション所有に関わる法律「区分所有法」が適用されるため、所有者であってもその処分や変更が制限される場合があります。
 区分所有法では「建物の保存に有害な行為、そのほか建物の管理、または使用する際に区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない」と定められています。区分所有者とは、マンションの住居部分を所有している人のことです。
 一般的にマンションの管理規約には、より具体的な規定があります。そのモデルとして、国土交通省がマンション標準管理規約を作り、公表しています。
 それによると、専有部分(自宅の住居部分)の修繕などを行う場合、共用部分(通路やエレベーターなどの建物部分)や、ほかの入居者の専有部分に影響を与える恐れがある工事を行う場合には、書面による承認が必要とされています。
 承認が必要な場合の具体例としては、床のフローリングの張り替えやユニットバスの設置、主要構造部に直接取り付けるエアコンの設置、間取りの変更などが考えられます。
 ご相談のケースのように床を全て張り替えてバリアフリー化する場合には、理事会の承認が必要となります。ご注意ください。

弁護士 立山晴大