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業務中にけが、休業補償は?(熊本日日新聞 2020年4月22日付)

2020.04.22
労働問題 労働問題

 Q 先日、トラックから荷卸しする業務の際、荷台から転落してけがをしてしまいました。治療で入院することになり、しばらく仕事を休まなければならなくなりましたが、補償などは受けられるのでしょうか。

 A 業務中にけがをしたとのことですので、労働基準監督署(労基署)に労働者災害補償保険(労災保険)に基づき以下のような給付を請求することができます。いずれの場合も、給付するかどうかは請求を受けた労基署長が決定します。
 (1)労災指定医療機関で治療を受ける場合には、所定の請求用紙を提出すれば治療費は請求されません。それ以外の医療機関で治療を受ける場合は、いったん治療費を支払い、後日労基署に請求用紙や領収書などを提出して支払った分と同額の給付を受けることになります。
 (2)けがで働くことができない場合は、休業4日目から給料(賞与などを除いて所定の計算をします)の80%に相当する給付を受けることができます(なお、休業3日目までは事業主が休業補償を支払う義務があります)。
 (3)治療終了後、所定の後遺障害が残った場合には別途給付を受けることができる場合があります。
 労災保険の給付は事業主が労災であることを否定している場合であっても労基署に請求することができます。
 なお、事業主による職場の安全管理の不備が原因でけがを負った場合などには、労災保険の給付とは別に事業主に対して損害賠償請求をすることも考えられます。

弁護士 田畑求三