高齢のため、遺言書作りたい(熊本日日新聞 2020年9月23日付)
2020.09.23
相続・遺言問題 相続・遺言問題
Q 私も高齢となり、子どもたちがもめないためにも遺言書を作っておいた方がいいとよく聞きますが、どうすればいいか分かりません。
A ご質問の通り、相続が「争族」とならないためにも、遺言書は早めに作っておきましょう。気持ちが変わったときは何度でも書き直すことができ、その場合、基本的には最後の遺言書が優先されます。また、判断能力が衰えてから慌てて遺言書を書いた場合、無効とされる危険も増えます。そのため、早く作ることにメリットはあってもデメリットはありません。
遺言書はほとんどが、自筆証書遺言か、公正証書遺言のどちらかです。
自筆証書遺言は、文字通り自筆で作る遺言書です。書き方について法律上のルールがあり、違反していると遺言書自体が無効となる場合があります。例えば、全文・日付・氏名を自書し、押印しなければなりません。前提として、誰に何を相続させるのか明確に特定しておく必要もあります。ちなみに法律改正により、書き方のルールが一部緩和されたり、法務局での保管制度ができたりしています。
公正証書遺言は、公証役場で公証人の面前で作成するものです。公証人と確認しながら作成するので、書き方の間違いで無効となることはほとんど考えられませんが、遺産に応じた手数料がかかります。
どちらがいいのかも含め、遺言書について悩んだら弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。
弁護士 山口和哉