せいかつQ&A

  1. ホーム
  2. せいかつQ&A
  3. 自転車の事故、備えは?(熊本日日新聞 2020年12月16日付)

自転車の事故、備えは?(熊本日日新聞 2020年12月16日付)

2020.12.16
交通事故 交通事故

 Q 子どもが自転車で通学することになりました。交通事故に備えてどのような準備をすればよいでしょうか。

 A 自転車は交通事故に遭いやすく、被害は重篤になりやすい傾向にあります。また、歩行者にけがをさせて加害者となる場合もあります。被害者にも加害者にもなる場合を考えて、以下の点に気を付けてください。
 (1)安全走行への声かけと指導 最も重要なことは交通事故のリスクを伝え、安全運転を指導することです。子どもたちは危険な場面を予測できません。常々目をかけて、危険なことはきちんと伝えましょう。頭部外傷を緩和するためにも、ヘルメットの着用を推奨します。
 (2)被害者になる場合の保険の備え 自転車事故は頭部外傷や骨折など重症化しやすく、意識不明や重度障害となる場合もあります。しかし、賠償金の算定では「自転車側の過失」も考慮され過失相殺されてしまいます。また、加害者側が十分な保険に加入しているとは限らず、自賠責保険のみの補償では損害を十分に填補[てんぽ]できない可能性があります。従って、十分な補償の「傷害保険」をお勧めします。自動車車両保険の特約により、車に乗っていない場合の事故に対応できる場合もあります。
 (3)加害者となる場合の保険の備え 被害者のけがの程度によっては数百万円から数千万円の賠償責任を負う場合もあります。そのため、賠償責任を賄う「賠償責任保険」には必ず加入しましょう。自転車保険のほか車両保険に付帯する自動車以外の賠償責任保険に加入する方法もあります。また、PTAの団体保険で、学校行事外の賠償責任に対応するプランもあるでしょう。保険会社や代理店に問い合わせされることをお勧めします。

弁護士 岡井将洋