事故で高次脳機能障害に(熊本日日新聞 2014年5月21日付)
2014.05.21
交通事故 交通事故
Q 昨年、息子が交通事故で、意識不明の重体となりました。幸い一命は取り留め、日常生活を行えるほど回復しました。ところが、新しいことを覚えられない、感情のコントロールがうまくいかないなど、事故以前には考えられないような状態になることがあります。このような症状についても加害者に賠償金を請求できますか。
A 本件は高次脳機能障害の可能性があります。高次脳機能障害は、脳卒中や脳外傷などにより生ずる後遺障害ですが、外見からは判別しづらいため「見えない障害」と言われることもあります。
自賠責保険において、高次脳機能障害をして後遺傷害の認定がなされる場合いは、損害賠償請求が認められます。ただし高次脳機能障害なのかどうか判断が分かれるケースも多く、一度は認められなくても知能テストの結果を添付するなどして異議申立を行い、認定されることがあります。そのため、どのような後遺障害があるのかについても弁護士と協議したうえで、加害者側の保険会社と交渉を進めていくとよいでしょう。
高次脳機能障害として後遺障害の認定を受けた場合でも、保険会社の提示する金額はあくまで早期解決を前提としているため、裁判を行った場合よりも低額となることがあります。適切な賠償金額を求めるのか、それとも早期解決を重視するのか、相談者によってさまざまですので、まずは法律相談センターなどでお気軽に弁護士にご相談ください。
弁護士 東 健一郎