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遺言書ない遺産分割(熊本日日新聞 2021年9月29日付)

2021.09.29
相続・遺言問題 相続・遺言問題

 Q 亡くなった父が遺言書を作成していなかったので、遺産分割について家族で話し合うことになりました。父名義の財産は、自宅、銀行預金、生命保険の死亡保険金です。死亡保険金は、私が受取人になっているのですが、遺産分割の対象になるのでしょうか。

 A 扶養請求権などの一身専属権および仏壇などの祭祀[さいし]財産を除き、死亡時に被相続人に帰属していた一切の権利義務が相続財産となります(民法896、897条)。
 被相続人名義の不動産、現金、預金債権、株式等は相続財産となります。つまり、父親名義の自宅・銀行預金は、相続財産であり、遺産分割の対象にされます。
 しかし、死亡保険金については、受取人が固有の権利として保険金請求権を取得するものであることから、遺産から離脱すると考えられてます。よって遺産分割の対象にはなりません。
 ただ、相続人の一人が死亡保険金を受け取ることにより、ほかの共同相続人との間に著しい不公平が生じる場合には、特別利益に準じて「持ち戻し」(相続財産への加算)の対象になることがあります。
 死亡保険金が持ち戻しの対象になるのかどうかは、死亡保険金の金額、遺産の総額に対する比率、被相続人との関係等により判断されます。
 死亡保険金を受け取ることについて、家族の納得が得られず、話し合いがまとまらなかった場合には、弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士 山内圭太郎