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テレワーク、パートは対象外に(熊本日日新聞 2021年8月18日付)

2021.08.18
労働問題 労働問題

 Q 私が勤める会社では、新型コロナ対策としてテレワーク(在宅勤務)が始まりましたが、パート社員の私は対象外です。正社員だけが対象なのは納得できません。またテレワークでは、仕事と家事(私的時間)との線引きをどのようにすればよいですか。

 A パートタイム労働者、有期労働者と正社員の間での「不合理」と認められる待遇の差は、法律上許されていません。ただ何が不合理と認められるかについては、職務の内容によって判断されます。具体的には、テレワークが可能な業務に就いているかが問題となります。正社員もパート社員もテレワークが可能な業務に就いているにもかかわらず、正社員だけが対象となっていれば、それは不合理な待遇の差と判断されます。この考え方は、派遣労働者と正社員間の待遇差についても適用されます。
 次に、仕事と家事(私的時間)との区分は、「中抜け時間」かどうかです。職場内でもトイレ、お茶飲み、喫煙、雑談などが直ちに労働時間から除外されることはありません。テレワークの場合でも「中抜け時間」にはなりません。
 しかし、保育園などへの子どもの送迎、買い物などは一定の時間、自宅から離れることになりますので「中抜け時間」となります。この場合、「中抜け時間」を休憩時間とした上で勤務時間を計算する方法、「中抜け時間」を時間単位の年次有給休暇とする方法が考えられます。どのように対応するのかは、あらかじめ会社と話し合っておくことが望ましいでしょう。

弁護士 森徳和