せいかつQ&A

  1. ホーム
  2. せいかつQ&A
  3. 不動産の遺産分割(熊本日日新聞 2021年11月10日付)

不動産の遺産分割(熊本日日新聞 2021年11月10日付)

2021.11.10
相続・遺言問題 相続・遺言問題

 Q 父が亡くなったのですが、遺産として現金預貯金のほかに自宅(土地、建物)があります。相続人は母と弟、私の3人です。遺産分割をしたいのですが、自宅については金額をどう評価したらいいのでしょうか。

 A 遺産分割をする上で、不動産評価の計算方法については(1)固定資産税評価額(2)公示地価(3)基準地価(4)路線価(5)実勢価格-の五つをそれぞれ用いる方法があります。どの計算方法で分割するのが良いかは、相続人同士で話し合って決めることができます。
 まず、固定資産税評価額を用いる場合ですが、納税通知書や役場から取り寄せることができる固定資産の評価証明書によって確認することができるため、非常に簡便です。
 次は、公示地価や基準地価、路線価を用いる場合です。公示地価は国土交通省、基準地価は都道府県、路線価は国税庁が発表しています。つまり、1平方メートル当たりどのくらいの金額になるのかという計算方法を発表している主体が異なります。
 最後は実勢価格で計算する場合ですが、実勢価格とは実際に不動産が売買される金額を指します。そのため、不動産会社に評価してもらったり、一定の費用を支払って不動産鑑定士に計算してもらったりします。
 不動産の評価は、立地状況などによって、前述の5つの方法でそれぞれ金額が異なりますので、不動産をめぐる相続でもめた場合には、弁護士に相談をすることをお勧めします。

弁護士 大林真悟