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離婚後の年金分割(熊本日日新聞 2022年5月18日付)

2022.05.18
離婚・家庭問題 離婚・家庭問題

 Q 配偶者と離婚協議中です。離婚時に年金を分割する制度があると聞きましたが、どのような制度なのでしょうか。

 A 離婚時年金分割制度とは、婚姻期間中の厚生年金や共済年金(いわゆる2階部分。以下「厚生年金など」といいます)の保険料納付記録を夫婦で分割することができる制度です。国民年金(いわゆる1階部分)は分割の対象とはなりません。
 年金分割制度には、3号分割と合意分割があります。
 3号分割とは、200841日以降の婚姻期間のうち、第3号被保険者(専業主夫・専業主婦の方などが該当します)となっていた期間、配偶者の厚生年金などの年金納付記録を半分ずつ分割する制度です。3号分割は、第3号被保険者だった者が離婚後、単独で年金事務所に請求できます。配偶者の同意は必要ありません。
 合意分割とは、3号分割の対象にならない期間の厚生年金などの保険料納付記録を、夫婦間で割合を合意することで分ける制度です。最大で50%2分の1)まで分割できます。
 合意分割を年金事務所へ請求する際は、合意割合を記載して公証役場か裁判所で作成した書面が必要です。夫婦間で書面を作っただけでは、合意分割の請求はできません。また、合意分割は離婚した日の翌日から2年を経過すると請求ができなくなります。

弁護士 田畑求三