18歳の契約(熊本日日新聞 2022年6月1日付)
2022.06.01
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Q この春、大学に入学した18歳です。先日、18歳も成人と扱われるようになったので、契約の際は気を付けるようにとのニュースを見ました。入学を機に英会話スクールに入る予定なのですが、具体的に何に気を付ければよいのでしょうか。
A 民法上、未成年者が親権者などの同意を得ずに行った契約は原則として取り消すことができます(「未成年者取消権」といいます)。しかし、この規定は成人が行った契約には適用されないことから、成人の場合は原則として契約に基づく責任を負うことになります。そのため、契約の際の条件についてよく確認する必要があります。
特に相手には何をしてもらえるのか、自分は何をしなければならいのか、キャンセルの際はどうなるのかなどについては、詳しく確認するようにしましょう。
一方で、法律においては、未成年者取消権以外にも契約そのものを無効としたり、取り消したりすることができる規定があります。例えば、質問で挙がった英会話スクールは、特定商取引法に基づき、一定の条件で契約を解除し返金を受けられる定めが存在します。
そのため、万が一トラブルにあった場合も、できるだけ早く弁護士など専門家に相談し、対応を検討することが必要になります。
成人年齢の引き下げ後、しばらくは悪質な業者が新成人を狙った勧誘を行うことが予想されますので、家族や周囲の方々とも相談しながら契約や契約に関するトラブルに対応するようにしましょう。
弁護士 野上昂太郎