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磯遊び(熊本日日新聞 2022年6月29日付)

2022.06.29
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 Q 今年の夏は、家族みんなで磯遊びをしたいと思っています。海水浴客がアワビやサザエなどを持ち帰ることが問題になっているというニュースを見ました。気を付けることを教えてください。

 A 磯遊びでは、ごみの持ち帰りや安全を心がけるのはもちろんのこと、海を仕事場とする漁業者の皆さんの迷惑にならないよう、配慮することが必要です。貝類などの海産資源の持ち帰りが違法とされる場合もあります。
 海の磯には、アワビなどの貝類やワカメなどの海藻類、イセエビ、ウニ、タコなどの生き物が生息していおり、いずれもあまり移動しない性質があります。定着性の水産動植物の採捕を目的とする第1種共同漁業として、一般的には漁業協同組合が漁業権を有し、組合員が漁業を行うものとされています。このため、一般の方が許可なしに自由に捕ることは許されません。
 漁業権を侵害したとして告訴された場合、100万円以下の罰金が科せられる可能性があります(漁業法1951項)。また、密漁の深刻化により、アワビやナマコ、シラスウナギについては2018年の漁業法改正で罰則が強化されています。磯遊びの際には、ルールに反してこれらの海産資源を間違って捕ってしまわないよう、気を付けましょう。
 また、釣りなどで使用できる道具、漁法、捕ってはいけない期間や体長の制限など、守らないといけないルールもあります。自治体のホームページなどで遊漁のルールを事前に確認してみてください。

弁護士 益田博文