せいかつQ&A

  1. ホーム
  2. せいかつQ&A
  3. 盗まれた車が事故(熊本日日新聞 2022年08月10日付)

盗まれた車が事故(熊本日日新聞 2022年08月10日付)

2022.08.10
交通事故 交通事故

 Q 私の自動車が盗まれてしまい、その上、交通事故を起こしたようです。私は交通事故の責任を問われますか。

 A 交通事故の責任は、刑事的、民事的、行政的と三つがあります。今回の場合、相談者が交通事故を起こした本人ではないため、刑事的と行政的な責任はありません。ただ民事的な責任が問われる場合があります。
 民事的な責任が問われるのは、自動車損害賠償保障法の「運行供用者」に当たる可能性があるためです。運行供用者としての責任は自動車をきちんと管理していること、つまり「誰かが自動車を使うことを許していたか否か」が問われます。
 いくつか例を挙げると、「出入り自由な場所に駐車していたか」「エンジンキーを抜いていたか」「盗難場所から事故現場まで時間的、場所的に近いか」「警察に盗難届を出していたか」などの事情で判断されます。
 仮に自分の車を一般路上にエンジンキーを付けたまま放置し、その車が盗まれた直後に交通事故を起こした場合、民事的な賠償責任が問われる可能性があります。
 このため、自動車を所有している者は「路上に駐車しない」「自動車を離れる時は必ずエンジンキーを抜く」「自分の自動車が盗難に遭った場合、直ちに警察に届け出る」など、マイカーをしっかり管理することが重要です。

弁護士 安村立哉