マイホームを建てる(熊本日日新聞 2022年10月5日付)
2022.10.05
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Q 私と妻、子どもの4人家族です。実家の土地にマイホームを建てようと計画しています。モデルハウスを見学しているのですが、どんなことに注意して契約や工事を進めていけばよいでしょうか。
A 一般消費者にとって住宅建築は一生に1回の大きな取引です。経験がないことですから、しっかり事前に勉強することが大切です。まず、モデルハウスなどの見学を通じて、住宅設備などについて十分に勉強する必要があります。
建築業者やハウスメーカーの選択、設計士を別に選任するのかなどが大きなポイントとなります。まずは信用、信頼できる業者と契約することです。地元の建築会社と全国展開の大手ハウスメーカーとでは相当な価格差があり、経済的な観点からもじっくり検討する必要があります。
営業担当者は契約を急ぎがち。間取りをどうするか、ライトは天井に付けるのか壁に付けるのか、入り口は引き戸なのかドアなのか、キッチンを使い勝手の良い設計にするにはどうするのかなど、事前の検討課題はたくさんあります。
業者側のペースで急いで契約して工事に入ってしまうと、後になって「話が違う。聞いていない。合意していない」などとトラブルになり、追加や変更、補修工事などが必要になることがあります。契約前に別の専門家のアドバイスなどをよく聞くなど、悔いのないように計画を練ってから契約することが重要です。
契約当日に初めて契約書を見るのではなく、事前に受け取って相当期間検討した上で署名、押印することです。完成後のトラブルを避けるためにも、契約前の準備が大切です。
弁護士 大村豊