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医療過誤疑い(熊本日日新聞 2022年11月2日付)

2022.11.02
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Q 私の夫は入院した後、そのまま病院で亡くなりました。いま思い返すと、亡くなるまでの経過や病院側の説明に釈然としないことが多く、「医療過誤では」と思うようになりました。夫の症状は、入院前は呼吸が苦しく、血痰[けったん]が出て左胸が痛み、せきが増えていきました。入院後はさらに状態が悪くなり、呼吸苦やパニック状態を繰り返した後に意識障害となり、亡くなりました。夫のためにも真実を知りたいと思っています。

 A ご主人との突然のお別れ、心からお悔やみ申し上げます。
 医療事故の可能性をお考えとのことですが、医療過誤は、医療機関に注意義務違反があるかが、まず問題となります。
 医療事故で亡くなった場合、死因の特定には、まず解剖されることが必要です。遺族の心情として解剖を望まない場合も多いと思いますが、遺体は尊厳をもって扱われます。
 死因が分かれば、生前に死因を疑うような所見があったかどうか、もしあれば適切な処置を取ったかどうかが問題となります。
 ご質問の症状から、肺血栓塞栓[そくせん]症が疑われます。この病気には多くの裁判例があります。まず病院からカルテを取り寄せ、信頼できる弁護士に協力医を見つけてもらい、遺族、弁護士、医師の三者で事案を検討することが必要です。
 病院の過失がある程度疑われたら、相手病院に損害賠償請求を出し、話し合いをすることになります。解剖されなかったとしても、諦めずに戦ったケースもあります。まずは医療過誤に詳しい弁護士にご相談ください。

弁護士 加藤修